落語「親子酒」お酒好きの親子が禁酒の約束を取り交わしますが・・・・・

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落語「親子酒」お酒好きの親子が禁酒の約束を取り交わしますが・・・・・

今回は、お酒にまつわるおなじみの演目「親子酒」を紹介します。
ご存知の方も多いでしょうね。

 

原話は上方の落語家・初代露の五郎兵衛の作とされています。
東京落語では、酒好きの親子が父親の提案で互いに禁酒を約束する、という短い話しです。
落語初心者の方にも分かりやすい話しなので楽しめます。

 

短い話しではありますが、演じるそれぞれの噺家さんのアレンジが加わり、その話芸の凄さを堪能することができます。
上方落語では、親子の禁酒の約束シーンはありませんが、息子が酔っぱらってうどん屋に絡むシーンが入ります。
大阪らしく、にぎやかな話しになっています。

 

 

「親子酒」の聞きどころ

演じる噺家によって人物設定は微妙に違うようです。
東京落語では息子は独身の設定になっていますが、上方落語では酔って帰ってきた親父が息子の嫁にぐずぐず言いながら寝てしまう場面を設定しています。

 

お酒を呑む仕草や酔っ払いの描写など、噺家さんの芸の見せどころです。
お酒が大好きな人なら、「うん、あるある!」と思わず同調してしまうかも知れません。
酒飲みにしかわからないオチが、なんともうれしいではありませんか。
落語初心者にも気軽に楽しめる、わかりやすい噺です。

 

「親子酒」のあらすじ

 

登場人物:父親、母親、息子

ある日、酒癖が良くない息子のことを心配して、酒好きの父親が息子に禁酒の提案をします。
親子で約束した禁酒ですが、我慢できなくなるのが吞み助の常。

 

父親:「婆さん、今夜は冷えるね。なにか温まるものはないかね。」
おかみさん:「葛湯でもどう?」

 

とぼけるおかみさんは、息子との禁酒の約束ことは知っています。
亭主をしかりつけるおかみさんですが、何をいっても無駄だとわかっています。

 

おかみさん:「一杯だけですよ!」とお酒を出すことになってしまいました。
父親:ぐいっと飲み干すと「もう一杯!」とお酒を要求します。
おかみさん:「何言ってんですか!一杯だけって言ったじゃないですか。」

結局、飲み続けてしまいます。

 

そんな時、息子が帰ってきました。
ところが息子も赤い顔をして、呂律が回らないほどに酔っています。
得意先のご主人に勧められ、断ることができずに呑んでしまった、とのこと。

 

息子:「父さん!やっぱり酒はやめられませんね!」
父親:怒った父親は「母さん!さっきからこいつの顔が二重にも三重にも見える。こんな奴に身代は  譲れない!」と言い放ちます。
息子:「俺だってグルグル回るこんな家いりません」

 

落語「親子酒」のまとめ

とても有名な噺なので、ご存知の方は多いでしょう。
お酒にまつわる演目はたくさんありますが、どれも面白いおすすめの噺ばかりです。

 

演じる噺家さんによってアレンジが加わり、噺家さんの芸の凄さがよくわかります。
東京落語、上方落語と聞き比べることもおすすめです。