古典落語では登場人物は男性が圧倒的に多いですよね。
演じる噺家さんも男性が多い社会です。
この記事では、38歳で入門した異色の女流落語家・三遊亭遊かりさんを紹介します。
三遊亭遊かりさんは大学中退後、いくつかの職業を経験しています。
中でも10年間勤務した日本酒の問屋での経験が、高座で活かされ楽しいお酒を酌み交わす場面を創りだすのでしょうね。
三遊亭遊かりの経歴
1973年
千葉県で生まれる
玉川大学文学部を中退後、いくつかの職業に就く。
日本酒の問屋に10年間務め、日本酒ナビゲーターの資格を持ちます。
2012年
三遊亭遊雀に入門
2016年
二つ目に昇進
2021年
第32回北とぴあ若手落語家競演会 北とぴあ奨励賞受賞
三遊亭遊かりさんは、2011年に落語と出会いました。
それまでに日本酒販売の仕事を経験しています。
この時の販売現場での経験が、人前でお話をする醍醐味を教えてくれたのではないでしょうか。
三遊亭游かりのプロフィール
名前 | 三遊亭遊かり |
読み | さんゆうていゆうかり |
生年月日 | 1973年8月「5日(50歳) |
出身地 | 千葉県佐倉市 |
出身大学 | 玉川大学文学部(中退) |
入門 | 2012年6月 |
師匠 | 三遊亭遊雀 |
所属 | 落語芸術協会 |
三遊亭游かりさんが入門した2012年は、既に38歳となっていました。
年齢もさることながら、女性が噺家になるにはハードルは高いと覚悟はしていたようですね。
最初は断られたようですが、縁があったのでしょうか。
三遊亭遊雀の芸風にほれ込み、入門を果たしています。
三遊亭游かりは日本酒を愛する落語家
三遊亭游かりさんは、入門前10年間日本酒の問屋で販売の仕事をしています。
販売現場では、おいしくても無名な銘柄のお酒を売る難しさがあります。
試飲だけでなく、そのお酒に合う料理の提案などの工夫が必要になります。
お酒を呑む場面をイメージしてもらえるよう、話術も磨かれたのではないでしょうか。
お客にいかに伝えるか、そんなスキルが噺家へとつながったのかもしれません。
日本酒ナビゲーターの資格をもっています。
三遊亭游かりは結婚しているの?
三遊亭游かりさんは結婚しているのか気になります。
今のところ、結婚の情報はありません。
入門した頃の落語芸術協会では、女性の前座は他にはいなかったそうです。
落語界で女性の噺家さんは増えたとはいえ、今でも珍しい世界です。
楽屋には、女性専用の更衣室などはありません。
修業中の前座時代のことはほとんど覚えていない、と言いたくなるほどつらかったようですね。
師匠からは、「早く着物に着替えられるように!楽屋には更衣室はないからな!」と言われたそうです。
三遊亭遊かりの落語が目指すところは?
最近は女流落語家の活躍が目立っています。それにつれて女性落語ファンも増えてきています。
落語家にはそれぞれの個性があって、「うまいなぁ~」、「器用だなぁ~」、「おもしろい!」などのタイプがあります。
日本酒は「呑むのが好き!」、「語るのも好き!」というほどの日本酒ナビゲーターです。
お酒を呑むシーンが多い古典落語をどう演じてくれるのか、これからも楽しみですね。
女性が酔っぱらうシーンが演じられるかも知れませんよ。
そういえばお酒にまつわる噺に「親子酒」があります。
酒好きの父親と息子の話ですが、これを母親と娘と孫に置き換えアレンジして高座にかけたとか。
そんな時代になってきたようですね。
三遊亭遊かりさんの活躍から目が離せませんよ!