2024年3月6日、落語協会は下席から真打となる林家つる子さんの昇進会見を開きました。
同時昇進の三遊亭わん丈さんも紹介されています。
林家つる子さんの真打昇進は、先輩11人を追い越しての快挙となりました。
真打昇進内定は昨年のことでしたが、連絡を受けた時は入門からのことが思い出され感激の涙があふれたそうです。
真打昇進後の高座名は?昇進後も林家つる子で!
真打昇進を機に、高座名を由緒ある高座名に改名する噺家さんが多いようです。
林家つる子さんも改名が考えられたようですが、現在の名前で高座に上がり続けるようです。
師匠、おかみさんが気に入っている高座名であり、特に大おかみさん(海老名香葉子)からは、親しみを込めて「つるちゃん」と呼ばれていることもあり今のままで、ということになったとか。
林家つる子さんの落語との出会いは大学での落研?
落語との出会いは、中央大学入学時の落研新入生歓迎活動を受けたのがきっかけだそうです。
初めて聞いた先輩の古典落語に惹かれたとのこと。
江戸時代に生まれた話なのに、現代でも笑える魅力に触発されたのでしょうね。
落語は演者の個性が色濃くでてしまう話芸です。
高校時代は演劇部で芝居に熱中していたそうですから、そんな経験も活かされているのでは?
大学2年の時には「全日本女性落語選手権・策伝大賞」で決勝進出を果たし、審査員特別賞を受賞しています。
学生時代の高座名は「中央亭可愛」だったとか。
アマチュア落語家からプロへと決意した林家つる子さんの想いは?
大学入学時、落研の強烈な勧誘を受け、落語にのめり込んでしまったようです。
大学2年生の時に続き、4年生の時には「ちりとてちん杯全国女性落語大会」で優勝しています。
いきなりプロの世界へ飛び込む不安もあり、一時は就職活動もしていました。
折からの不況風もあり、就職活動は不採用が続いたそうです。
一方で落語を突き詰めたい想いも強く、プロになることを決意したとのこと。
卒業後はアルバイトをしながら、足しげく寄席通いを続けました。
林家正蔵師匠の古典落語に取り組む姿に惚れこみ、弟子入りを志願。
2010年弟子入りが認められ、プロとしての生活が始まりました。
林家つる子さんはどんな噺家を目ざすのか?
落語界は今でも男性中心の社会です。
悩むことも多かったでしょうが、林家正蔵師匠からもらった「いろんな挑戦をするように」との激励の言葉にあと押しされたそうです。
林家つる子さんの活動は、落語だけにとどまらずラジオのパーソナリティやYouTubeでの動画配信など高座以外でも情報発信しています。
正蔵師匠の言葉を胸に、女性ならではの取り組みが始まっています。
古典落語には女性も登場しますが、その心情は充分に描かれていません。
林家つる子さんは、古典落語に登場する女性に焦点を当て主人公にし、女性目線に書き換え演じました。
その作品が「古典落語」名作といわれる夫婦愛を描いた『芝浜』です。
大きな反響を呼んでいます。
真打昇進は新たなスタートとなり、女性落語家「林家つる子」さんの新たな挑戦が始まりました。